築地市場、11月の移転延期決定!&豊洲の新市場の問題点

 

小池百合子都知事、豊洲移転延期の方針の発表

築地_大漁旗

今年2016年11月の豊洲の新設市場への移転が決まっていた築地市場ですが、小池百合子都知事が報道陣へ向け延期方針を発表しました!

そしてその発表の翌日にあたる8月31日、早速記者会見を開き築地市場の豊洲への移転の延期を正式表明。

まだ具体的にどれくらい延期されるかは未定であるものの、繁忙期の12月は避けるでしょうから年内ということはなさそうです。

(フェイントで11月内でのごく短い日程での延期なんて可能性もゼロではありませんけど)

豊洲の新設市場は移転前から土壌・水質問題がぶちあがったり、素人が設計したのではないかと言われるほどかなり多くの問題を抱えながら移転を迎えようとしていたところの、急転直下の決定です。

まるで素人設計!?欠陥だらけの豊洲市場の問題点

豊洲の新市場の問題として土壌・水質汚染の問題はニュースでよく流れているので、ご存じの方は多いかと思います。

確かに本当に公営の食品市場で土壌・水質の問題があるとなれば大問題ですよね。

他にも、築地市場の出入り業者が豊洲移転反対するのには、使い勝手などかなり多くの問題があるようです。

ターレーが使えない!

築地市場の乗り物_ターレー

築地市場で多用される乗り物『 ターレー 』

築地市場では荷物の運搬にターレーと呼ばれる乗り物が多用されています。

イメージ的には立ち乗りの簡易版軽トラみたいなもんです。

豊洲の新市場では床の厚み・強度不足により、ターレーの重量に耐えられず床が抜けてしまう危険があるとのこと。

ターレーが階移動するためのターレースロープも用意されていますが、床が抜けるかも…なんて言われたら業者さんも怖くて使えませんよね。

しかしターレー無しで数十キロもあるようなマグロや各種荷物を運ぶのはいくらなんでも現実的に無理があります。

そして、このターレースロープにも問題があります。

建築エコノミスト森山氏のTwitterより引用

イオンやなんかで見られるような立体駐車場のスロープのような構造で、U字でグルグル周りながら上り下りする感じ。

なんですが、実はこれ対面方式で上りと下りで同じスロープを使うと、内側を曲がる方はU字のカーブ部分が超ヘアピンになります。

ただのU字カーブであれば遠心力で荷物が落っこちちゃう危険はあるにしても、ターレー慣れしている築地の仲卸業者さんのテクニックならなんてことなかったでしょう。

問題なのはこのヘアピンが肝心のターレーの最低回転半径よりもきついカーブであること。

業者さんたちのテクニックうんぬんではなく、内側のレーンはどんなにハンドルをきったところで物理的に曲がり切ることができず、外側にはみ出てしまう残念設計

どちらももう少し余裕を持った設計にすればよかっただけのように感じますが…

ウィング横開きタイプのトラックは荷卸しできないバース!

トラックをつけてそのまま荷物の積み下ろしをするためのバースにも欠陥があります。

ウィングと呼ばれる、荷台の後ろではなく横が開くタイプのトラックが使えない設計になっているんです。

ウィング横開きタイプのトラックの例

ウィング横開きボディーのトラックの例

横開きができるウィングタイプのトラックを横づけした方が圧倒的に荷物の積み下ろしの効率がいいのに、豊洲市場では設計上ウィング扉が使用不可。

みなさんご存じの通り、築地市場は世界一の流通量を誇る大市場なのに、物流面ですでに妥協しなければいけない点が出てしまっています。

築地の仲卸業者さんだけでなく、運送業者の配送ドライバーさんからも不満の声が上がる大変残念な設計です。

海水使用不可の床

築地では仲卸業者は床など店舗スペースの清掃に海水を使っています

管理人も最初は「 え?それ海水捨ててるだけじゃなくて?なんか不衛生じゃない? 」なんて思ったのですが…

海水を使うのにはちゃんとした理由があって、『 ボウフラやコバエが湧かないように 』あえて海水で清掃ををしているのです。

しかし豊洲では床への海水の使用禁止となり、海水でないと困ると詰めよった仲卸業者さんは管理担当者より真水を使うように言われたとのこと。

真水で洗うと却って不衛生になる可能性が高いにも関わらず、です。

狭すぎてマグロの解体不可能な店舗スペース

またまた森山氏のTwitterより引用。マグロの解体ができない間口って…

仲卸業者が借りることができる店舗スペースの間口が幅1メートル32センチしかないそうです。

小学生の身長レベルです。

例えば寿司ネタの花形マグロの解体には最低3メートルはスペースが必要と言われている中、豊洲市場の店舗スペースにはその半分も幅がないという実態。

マグロ自体がかなり大きいですし、マグロ包丁だってかなり大型なのに。

おうちの台所じゃないんだから、素人でもなんとなく想像つきそうなものなのですが…

管理人の信条上、いい仕事をするためには環境やスペースってかなり大事。

なのにそもそも仕事をするために最低限必要なスペースも用意されないんじゃ憤慨して当然です。

仲卸業者のみなさんの心中、お察しします。

豊洲市場はバラ氷不足&角氷業者ゼロ!

氷

築地市場では魚が入ったいけすの海水の温度を低く保つために、角氷と呼ばれる巨大な氷が多用されていました。

もちろん電気設備を使って冷やすこともできるのですが、単純に設備代・電気代がバカにならない&万一の停電にも対応できるため、角氷がスタンダードだったのです。

が、築地市場にあった角氷業者のすべてが、豊洲市場入りを拒否

しかも、発泡スチロールなどに入れて魚を冷やすためのバラ氷の貯蔵庫のキャパが豊洲の新市場は築地市場の4分の1。

夏場には確実に足りなくなるとみられ、増設も検討されてはいるそうですが…

そもそも床の厚みが足りずターレーで床が抜ける危険があるとされる中、本当に数十トン~100トン級の氷を貯蔵できる設備を増設できるのか、かなり危ぶまれるところ。

築地の仲卸業者さんからしたらこれまた頭の痛い事項の一つですね。

豊洲の問題点まとめ

・市場内の移動、運搬を支えるターレーの運用が考えられていない構造

・仲卸業者の作業スペースを全く考えていない店舗スペースや、清掃方法など市場運営の実態にそぐわない設計

・世界一の流通量を誇る公営市場なのに、ウィング横開きタイプのトラックは仕様不可という物流面無視の設計

・活魚の鮮度を保つために水産市場では欠かせないインフラである氷不足問題

調べれば調べるほど、反対派の業者のみなさんの気持ちがよくわかってきました。

確かに築地よりも豊洲の方がキレイはキレイなんでしょうが、そもそも市場としての機能がなければ意味がありませんよね…

築地改装の間の仮設市場としてだけならともかく、これから数十年付き合っていかなければいけない仕事場が、使い勝手が悪化しているのですから。

最新設備のはずなのに。

何度もいろいろな問題が報道されながらも抜本的な対策は施されてこなかった中、小池百合子都知事はこの問題によく切り込んでくれたのではないかと思います。

もちろんこの政策が吉と出るか凶と出るかはフタを開けて見なければ判断できるものではないものでしょう。

しかし、就任したばかりでリオオリンピックにも出向くなど多忙の中、思い切って築地移転延期なんて決断を打ち出せる。

少なくとも都政のこともきちんと考えていると感じられます。

外遊ばかりで都政の実績は「 ? 」だった某元都知事も、これくらい働いていれば…と思う今日この頃です。

なお、今回の記事につきましては『 マンガ建築考 』の著者でツイートの引用元でもある建築エコノミスト森山氏のツイートをかなり参考にさせて頂きました。

氏のブログでは今回管理が取り上げた以外にも豊洲市場の耐震強度の問題など建築エコノミストとしての視点からの問題点や、今後の再生計画についても触れています。

もしこの問題にぼ興味があるようでしたら、詳しくは森山氏のブログをご覧いただければと思います。

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